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36-14
直子の場合

直子はテーブルに皿を並べる
星のかけらと花のかけらと
人形のかけらが窓越しに見ている
直子は鍋でものを煮る
本のかけらと壁紙のかけらと
海のかけらが窓越しに見ている
直子は小さな溜め息をつく
すべての思い出が溜め息をつく
直子の夫が帰って来る
モザイク模様が窓を覆う
黙って二人は食事をする
モザイク模様が滑り落ちる
黙って直子は片付けをする
青紫色の淡い天球が
窓越しに見ている
かつて直子が大事にしていた
愛とか夢とか気持ちとかが
淡い天球になって浮かんでいる
直子は気付かずにカーテンを閉める

Time To Time

36 - 14

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