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36-33
大 蛇(boa constrictor)

昨日確かに走った通り
今日またなぞるとは限らない
人々はこの地下鉄が
確かに半蔵門に抜けると思い
半分眠っている者までいるが
自分だけは気付いていた
電車は渋谷から急勾配を下り始め
左手へ曲がる位置で右に反れ
そして大蛇の体に傷ついた尻尾から入って行った
二千年もの疲れで
大蛇は腐った臭気を窓越しに送り
内臓はビクビク動いているが
人々は全く気付かぬ様子で
半蔵門へ向かっているのだ
自分だけが解っていた
大蛇は永遠に続くトグロを巻いて
二千年の重い疲れで押して来た
その頃ようやく人々は蝋化して硬直しはじめ
自分の意識は不透明な臭気で埋もれていった

Time To Time

36 - 33

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