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36-6
 海へゆく電車

電車が左手に白い二階建ての家を見て
急にカーヴするあたり
乗客は窓の外に放り出されるような快感を覚え
とたんに海の匂いをあたりいっぱい感じて
ハアーッと息を吸い込む
まだ海の見える位置ではないのだけれど
キョウチクトウの花のそばを通り過ぎているうちに
乗客はこの電車は海に突っ込んで行くか
あるいは空へ舞い上がるかして
後ろにはキョウチクトウがぶらさがっているのではと
一様に妙な考えを抱いてしまうのだ
だから大人の乗客もそうでない乗客も
みんな照れたような困ったような顔をして
終点までもじもじ外を見たり
車内を見回したりしているのだ

Time To Time

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