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36-32
 梅雨の日の午後

天井と壁の境目から
水が少し垂れている
やがて天井じゅうの虫たちが
流れに乗って落ちて来る
コーヒーカップはカビで覆われ
カーペットはカビで覆われ
つま先は胞子で覆われてかすんでいる
電話で救けを呼ぼうと
ふやけた指をのばすが
喉の奥で胞子が繁殖して
新細胞が熱を持ち
声が銀ネズ色に光って
受話器に届くまでに消えてしまう
もうすぐカビだらけの波が来て
家が虫とともに沈んで行くのだ
それでも家の中心でボンヤリしている
時だけが過ぎて行く

Time To Time

36 - 32

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