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36-1
 鳥が発つ

あれは何時のことだったろう
わたしがあの鳥を見たのは
低く草の生えた原野は金茶けて
沼地はよどんで光通さず
そこから
一羽の鳥が
翔び発ってゆく

頭の中の心象風景
それでもわたしには
翔び発つ鳥の羽音すら
耳の近くにきこえるのだ

あれが私の感情の始まり
過去への別れと
新たな出会いの前ぶれに
いつも白い鳥は現れた

一羽で翔び発つ
鳥の哀しさ
行くあてもわからず
ただ翔び発つことだけが
命の全てであるような
羽の躍動

あれは何時のことだったろう
わたしが自分の影を
振り返って見る様になったのは
いつかそれが鳥となって
翔び発ってしまう
そんな日がもうすぐ来ると
ひそかな不安を抱きながら

Time To Time

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