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アンダルシアに来ると
旅の終わりを思うのはなぜだろう

アンダルシアの風は
往き場がなく
シエラネバダの岩を
削り落とす

アンダルシアの男は
灰色の岩のように
憂鬱で重い

フラメンコの集いの帰り道
私たちは夜更けのアルバイシンの道を
歩いていた
アルハンブラに滲んだ半月がかかっていて
明日は雨になるかとエミリオが言ったが
この季節のアンダルシアに雨は降らない

坂道をくだる五人の影は
それぞれの人生や想いのように
影の濃さが違う
振り返ると最後に
いないはずの猫の長い尻尾の影が
街灯に揺れながら付いてくる

「Time To Time イベリア便り」

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