INICIO > Exposi. >
9 - 8
前頁


アンダルシアに来ると
旅の終わりを思うのはなぜだろう

アンダルシアの風は
往き場がなく
シエラネバダの岩を
削り落とす

アンダルシアの男は
灰色の岩のように
憂鬱で重い

フラメンコの集いの帰り道
私たちは夜更けのアルバイシンの道を
歩いていた
アルハンブラに滲んだ半月がかかっていて
明日は雨になるかとエミリオが言ったが
この季節のアンダルシアに雨は降らない

坂道をくだる五人の影は
それぞれの人生や想いのように
影の濃さが違う
振り返ると最後に
いないはずの猫の長い尻尾の影が
街灯に揺れながら付いてくる

"Time To Time desde Andalucía"

9 - 8
前頁
 intro.  1  2  3  4  5  6  7  8  9 
下頁

下頁/Siguiente

Volver