【関ゼミ P78〜99】

 関さんの「デジタル技術を生かして遊ぶ」だ。
 私が日本写真学園在籍の時は関さんは助手をしていたので、直接接するようになったのは「あっぷる」で、かれこれ15年近くになる。

 「あっぷる」の忘年会で飲んだ時に「ナカジマのあの写真(P39下)は何だよ〜?ひどくないか。あそこは絶対トリミングだよ」というから「それを言うのなら関さんのP89のだってヒド過ぎないっすかぁ?まるで酔いどれハミルトンみたいじゃないですか」なーんて言い合っていたのだけど、この関さんの章はとても勉強になり、そしてとても興味深く、ある意味一番時間をかけてじっくり見たコーナーじゃないかと思う。
 それで言えば、P79中央の窓際に立つ女性の写真、窓枠の白いフックはレタッチだ、という突っ込みはこの際スルー。

  1. P84 「色を自由にコントロール」

    普通に撮ればまず下の写真のようにアンバーがかかった写真になると思う。
    でも文章を読むと撮る前にホワイトバランスをケルビン設定にして調節している。おお、なるほど〜。

    同じ写真がこのように2枚あるからどちらかを、と選択しやすいが、実際はこれの片方しかなく、どのように調整して行くかは撮影者がモニターを見るところでの感性なんだな、と改めて思った。
    意図からすればどちらも正解だけど、下のような写真だけを見た時には、たいていは上のような写真にしてしまう「色調の罠」がデジタルにはある思った。

    「色が正しいだけでは魅力のある写真とはいえないのが悩ましいところです」
    けだし至言ですねー、これは。思わず読みながら「うんうん」とうなずいてしまいました。

  2. P85

    上をカットするかしないか?
    カットすると、見た目のイメージが強くなり過ぎる観があった。それを見越してかどうか分らないけど、敢えて上部の現実を取り入れたところに共感を覚えた。
    この写真を見て、手とかで上部に写るガラスの縁などをカットして見ようとしたら良い。

  3. P90〜91 「髪への光はポートレイトのアクセント」

    これはかなり身内受けと言おうか、プロカメラマンとして大変だなぁと思った。
    P90の4点のサンプルはやや欲張ってしまったが為に2つの作例がシンクロしているのでやや分りづらい。
    1つはヘアーにライトを当てることによって同じ黒系の背景と髪の毛を分離させ、主題を際立たせる距離感を写真にプラスさせるライティング。
    もう一つは、ライトの光質の違いの比較。
    その2つが混じっているのでやや迷うところがあるが、光質だけを見てみると、ポジならこれで十分にその違いが出たのだけど、デジタルだとその階調の特質から分りづらいところがあちらこちらに発生してしまう。
    特に「ストロボなし」と「硬い光(ダイレクト)」。
    普通に考えれば「ストロボなし」は柔らかい分、コントラストとシャープネスのエッジが立たない平坦なネムい感じになり、ダイレクトは強過ぎるシャープネスと階調がスポイルされたバイオレンス的な強さになるのだが、デジタルはこの「極端」さがやや再現しずらい性質がある。

    言葉としての知識で見れば実に簡単なのだけど、4つの違いをデジタルで分かりやすく見せてゆくサンプル写真の難しさ。いや、これは関さん、お疲れさまでしたって感じ。

  4. P92〜95 「背景が写真を決める」&「新次元のデジタルモノクローム」

    プライベート風に撮った女の子の写真は何回見ても飽きない。
    P93の2点は、同じ服、そして右手のブレスレッドから同一人物だと思われるが、撮り方によってこんなにも別人のようになるのだなぁ、と改めて感心〜。

    P93の砂丘のようなところでの写真のポイントは、私なら「ふくよかな胸」だ。
    顔つきが違うけどP92の例からすればP93上の女性と同一なのかな?といろいろ想像してしまう。
    P93上の写真の右端の女性が振り返っている。
    超広角にしろ、ここまで歩き過ぎても振り返るのは、この女性がとても綺麗か可愛いかったからで、どこかのモデルかアイドルなのか?というところでの振り返りと思われる。
    上と下、同じ女性のように見えるなぁ。
    あ、髪の毛は関係ない。時間を置いて撮影してみれば、途中美容院にてカットしてしまえば別人28号。
    口と目元が同じように感じるが・・。

    では、P94〜95は93と同じか?
    女の事になると、凄い集中力になるなぁ(笑)。
    同じような印象を受けたけど別人と判定したけどどうなんだろうか?

    P94〜95は確実に同じモデルだ、ついでにP81でも登場している。
    P81のに気づいたらナイスです。
    だけど、P95の上下の写真の服を見ると同じではない。関さんが彼女と泊まりでどこぞへムフフ撮影旅行に行った一連じゃなければ2回以上撮っていることになる。
    P94中央、P95上の2つの彼女の表情&撮り方を見ると関さんのこのみの女性かな、って思わせる。あれ、どことなくTime To Timeの詩人、草野早苗氏と雰囲気が似ているな。年齢は全然違うけど〜(笑)。

    P96〜97「視覚的なトリップ感を創り出す」

    もしかしたらデジタルに興味のある人はこれらの撮り方をこと細かに説明して欲しかったのではないか。
    私もそうだけど全ての四谷写真塾の講師はそんなテクニカルに一切触れていない。ややまとまり感がないけど根底に流れている講師の感覚は同じなんだな、と思わされたこのページ。しみじみ〜。
    つまり表面的にこんなのができたとしてもそれは知識での理解であって、その先の表現は、そんなのは体が覚えてからの話だよ、ということか?
    「はじめての・・・」という割には「レベル高すぎ〜」と言われるゆえんかも〜。

    P98〜99「出会いの意外さを楽しむモンタージュ」

    取り立てて撮影者は、その作品の苦労話を全面に押し出す必要もなく必然性もない。むしろない方が良いのだ。延々と撮影の苦労話を聞くぐらい苦痛なものはない。何故ならおしなべてそういう写真は詰まらないからだ。詰まらない写真なら最初から黙っている方が良いし、少なくとも表現としての写真は浪花節ではないから、と思うからだ。

    こういう写真の入り口には「好みかそうでないか」が明確な選択肢としてあると思う。
    残念ながら私の感覚と対極を成しているので飛ばしてしまいそうになったが、P98の「全く異なる・・・・喜びは大きいものがあります」を読んだ時には目からウロコだった。
    関さんの本音の苦悩が言葉の隙間から浮き出てくるようで、この試行錯誤の苦悩には疑似的にしろ最大限に共有できた。

  5. P100「寺子屋へ行こう」

    余談だけど、私の原稿。大いに笑ってやってちょうだい。

次はいよいよデジタルカメラについて、そしてデジカメとパソコン。