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Sanyo vino a Japón, 2007


遠山の金さん劇場の役者さん達と
 日本で合気道の留学をしていたからだろう、日本の歴史が好きで、京都や宮島などの古い家屋や史跡、寺などを興味を持って回っていたようだ。
 とすれば、是非行ってみたいのが「日光江戸村」だ。
 ここのセットは凄い。ちょっと裏道に入っても完璧なほどの江戸を表現しようという心意気が見え、何処から見ても「お江戸だ!」。異質なのは仕方のない赤い消火器ぐらい。
 江戸時代にタイムスリップしたような体験が4,500円とは、決して高くはないと思う。

 「ハラキリ、サムライ、ゲイシャ」なんて叫んでいる外人はここに連れてくるのが一番!と思いきや、サンジョが「う〜ん、ここに来れば、他に行かなくてももう十分だなぁ」といたく感服していた。
 マラガに住んでいた頃のバルにて、「ねぇ、忍者って何処にいるの?」とか「今の忍者って何をしているの?」とよく聞かれたけど、かなり日本を誤解されまくっている質問だ。
 そうそう、そういう方々にこそ、この江戸村を紹介すれば良かった。

 爆笑劇の遠山の金さんを一緒に見るも、なかなか説明が難しい。
「遊び人」は vividor が近いかな。遊び人だけど実は奉行所のお代官。面倒だから「遊び人だけど、実は裁判官」にしてしまった。

 その後、かつてロベルトも紀伊国屋文左衛門として舞台に上げられた、花魁の花の吉原。でも、今回上演時間が上手く合わず見送った。
 スナップ写真をみたら殆どが外人だったので、サンジョも上がれたんだ。悪いことをしてしまった。2年後をお楽しみに、サンジョ。

 江戸村に来たのなら、これだけは必ず、というのが江戸村写真館。
 さまざまな衣装を着て記念撮影というもの。キャビネサイズ、台紙付きで、1枚2,000円って安いな。
 殿様・武士・町人・浪人、姫、花魁などの衣装の中から、サンジョとロサーナは、お殿様と奥方様。
 なかなか美男美女に撮れていて是非ここにご披露と思うも、スキャンするのを忘れて帰国してしまった。
「戻ったらすぐスキャンして添付画像で送るよ」と言っていたが、いつになることやら。


Nobu大塚と

ちょっと気取って

町人と一緒に

 奥の方に行くと、小伝馬町牢屋敷があり、リアリティあふれる人形達が牢屋の中などで好演していた。その隣は吉良上野介邸。そして歴史コーナーには、白虎隊、浅野内匠頭乱心、井伊直弼暗殺など、殺し系のが多く、ややディープな演出の世界になっている。
 赤穂浪士や白虎隊を説明したところで、あまりニュアンスは伝わるとは思えなかったので、時代だけ言って「昔の有名な事件」で済ませた。

 初めて日本を訪れるスペイン人にとっては、口に合わぬものばかりだけど、それでも甘辛の照焼きソースやうどんなどは好まれる。しかしロサーナは全くダメみたいなので、食事はファミレス。スパゲッティ系とフライドポテト、それにビールを毎度のように食していた。
 不思議にも日本酒は大好きみたいで良く飲んでいた。
 しかし彼らは良く飲む。体形もあるのだがロサーナだって時間の限り飲んでいた。彼らと会った翌日は必ず二日酔い。
 おでん屋やお好み焼き屋、焼き鳥専門店などに連れてゆこうと思ったが、ロサーナには口に合わないと思い、通常の和民や白木屋などを利用した。写真付きのメニューは外人にとって大切だからだ。

 夕方、東京に戻り和民で飲み始めたのが19時。結局ラストの11時まで飲んでベロベロ。翌日は早朝の築地市場に行くと言っていた。元気だなぁ、サンジョ達。


お江戸にタイムスリップ

「にゃんまげ」と一緒に

 サンジョから聞いた話。
 初めて日本に来た時、安いのでアエロフロートを利用したそうだ。
 ソ連は怖い国なので緊張し、武道をやっていたのでタマキンプロテクターをしてその中にパスポート類をしまっていた。
 モスクワ空港の税関では、パスポートの写真があまりにも凄いので、1分間当人と写真を見比べていたそうだ。
 搭乗時のボディチェックで、そのタマキンプロテクターが引っかかった。
 「何だこれは?見せてくれ!」、職員も驚いたであろう。


こんにちは!
 緊張していたサンジョは、慌てて金を取り出そうとするもタマキンプロテクターから上手く取り出せなく、仕方なくそのまま下げようとしたらズボンまで下げてケツをモロ出しにしてしまったそうだ。
 びっくりしたソ連の職員は、そのままありがち風に「タバコある?」とリクエスト。
 ちょうど私がマラガにいた時の90年代始めの頃の話。

 普通なら、特にイベントがなければ江戸村でサンジョとは最後だったけど、何処となしか淋しく思い、帰国前日の夜、スペイン関連の友達を誘ってお別れパーティをした。
 相変らず飲んでギャグ話しで盛り上がってラストオーダー。
 いつもと変らぬ抱きあってのお別れの挨拶だったけど、ダラダラやっていたら涙が出そうになった。潤みかけながらさっさと先に辞した。
 サンジョは私の友達になったようだ。

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