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"VAMOS" 会報誌寄稿
郵便局事情

 1度ならずともスペインに行ったことのある御仁ならお分かり頂けよう、ものにこだわらない性質と、憎めない性格のスペイン人達を‥。

 年も押し詰まった12月の師走、突然新聞にて来年からの郵便料金の値上げを、政府が発表するのだが値段が未発表。年が明けて郵便局に行くのだが、局員も未だ分からず、「今まで100円だったから150円ぐらい貼っといたら?」とのいい加減な答。
 数日後またもやその局員が「分かったゾ、140円が正しい!」と言い、私になにやら公文書表みたいなのを見せる。その数日間、いろんな人達に聞くのだが、どれ一つとも値段が一致せず、なかには「政府がはっきり値段表示しないのだから、今までと同じ100円で良いのだ!」と、すごい理論を展開する人もいたりして、この人は手紙が確実に着くことより、確実にポストに投函することが自分にとって大切なようである。
 結局正しい値段が分かったのが、年も明けて20日も経った頃で、私が140円切手を買おうとすると、先の局員が
 「無駄なことするな、130円でいいんだヨ。」
 「前は140円って言ったじゃないか?」
 「あの時はあの時、今はコレが正しい!」
 なんて言いながらまたまた怪しげな公文書表もどきを見せる。
 険悪ムードで郵便局を辞し、数日後道端で、件の局員が「ヨッ!少しはスペイン語うまくなったかい?」なんて親しげに声をかけてきたりして当初私は頭が痛かった。

1991.12


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