銀行へ

 聞き及んではいたけど、実際やってみるとなるほどね、というのが銀行凍結。
 葬儀や納骨等の費用と端数を先に引き出しておいて、通帳とカードを持って銀行の窓口に行ってみれば、私の免許証を確認しただけで即凍結となってしまい、以降引き出しも振り込みも一切できなくなったのだけど、住所が同じなのでOKとのこと・・チェックゆるくない?

 その後、奥のテーブルへ促され凍結解除の手続きを指南される。
 書類自体はそれほど難しくなく、司法書士とかが作成する財産分与教義書とかは別として、1枚の用紙に相続人全員の実印を押しそれぞれの印鑑証明を添付するだけで、私一人だけで引き出すことができるようだ。近所に住む弟一人なので簡単だが、しかし沢山の相続人がいたら、あちらこちらへ出向くか郵送して実印押してもらって印鑑証明もそろえなければならず、またそれぞれがあちらこちらの地方とかに点在していたら、確かにこれは面倒くささ超難度Cになるだろう。

 銀行凍結は自己申告なので何もしなければ、残高ゼロとかまで勝手にカードで引き出すことができる。が、1日の最大引き出し額は50万円なの何十回通わなければならないが。 
 都心のマンションでも買えるくらいかなと思った残高は、車が買えるぐらい。しかし確定申告で計上しないと宜しくない額面になりそうで、どうせ土地の贈与税とかが来るのでそれに合わせ真面目に処理しようと思ったところ。
 近いうちに司法書士と打ち合わせをすれば概算が出るけど、弟と分与したところから贈与税とかを引いたら100万円にもならないと思うも、もともとはばーちゃんの金なので裏の柵の修復費に充てれば形見風になり、残りで鬼怒川温泉おおるり荘1泊家族旅行とかができれば嬉しいや。

 もともと私も弟もあまり金への執着心がないので、例えば残高が1億円あったとしても、あまり変わらないと思う。もっと若ければいろいろ考えて新たな希望も芽生えたりもするのだが、60歳ぐらいになると老後の蓄えぐらいにしか考えが及ばなくなってくる寂しさがある。

領収証

 世話になった葬儀屋Aには、いろいろな場所に葬祭場があり私の選んだのは2階と3階にホールがあるのだが、いずれも一般葬向けの広さのみで家族葬向き小規模な広さのはない、というのが後にちょっと調べてみて分かった。そのような小さなホールで行えば70万円ぐらいになったかもしれないが、果たしてそれが近所で便利なところにあるかどうかは喪主の所在地如何に因るところである。
 とすれば一般葬向きのホールでの90万円代とは、互助会に入り近い将来一族みんなそこで挙げてもらうことを願う出世払いが含まれていたのかもしれない。

 値段交渉後、我が家ご用達浄土宗の寺に出向きメインディッシュであるお布施の確認を行う。
 「お布施はお気持ちですからいくらでも」というのは昔の話、「じゃ、1万円で良いや」と言いきる私のような輩が多いのだろうか最近はきっちりと明示してくれる。
 2年前に親父と台湾でいつも飲んだくれている叔父の兄である伯父の葬儀の時、別の宗派だけど、お布施(戒名+通夜と告別式のお経)が領収書なしの手渡しの80万円、と聞き、みんなで「ボッタクリのクソ坊主~」と叫んだ記憶があり、またお布施には、値切りも色を付けないと聞いていたので、一体いくらなのか内心ドキドキで、あまりにも法外な金額だったら墓を取り払って樹木葬とかにしようかと思いあぐんでもいた。
 はるか50年前、寺と墓で良く遊び、見つかる度にしかられまくっていたその若き坊さんも今や高齢の大住職である。また、そのクソガキも今や還暦リーチの初老にかかっている。
 「前回のお父様の時のを参考にして言えば・・」と言い、おお、Mac proが買えるぐらいの金額である。加えて「一般の戒名(信士・信女とか)でしたらお金は取りません、あくまでもお経だけです」のようなことを言っていて、蛍光灯下に座っている住職の頭に後光が射すようであった。浄土宗だけなのかこのお寺だけなのかは分からないけれど、我が家の墓がこのお寺にあって本当に良かったと始めて思った。足代と飯代の5,000円ずつ×2日間 = 2万円は別渡し。

 告別式が終わった後、住職から封筒を手渡され中身を見たら、なんと領収書が入っていた。
 お布施の領収書なんて初めて見た。収入印紙が貼ってないけど、えーんだろうか。宗教項目は免除とか。
 良き話としてはここで終わるのだが、これを鵜呑みにしてはならず、経理上お布施全くのゼロではあまりにも脱税ですよ!なので、このような少額(庶民からすれば大金だけど)は計上し、先の大金などは手渡しの領収書なしとで処理しているのが現実、と見なすのが大人の常識かもしれない。

 佛教大学の授戒会でもらった浄土宗の数珠と袈裟を身に付けて浄土宗の坊さんのお経を聞くのは、心なし嬉し、いや心が休まった。お経の中には懐かしの「同唱十念」もあり、詩の「月影の~♪」もあり、浄土宗系の高校出身の娘と目が合ってニヤリ~。
 宗教、見てくれの気分も大事だ。

体育の日 その1

『白河ラーメンの神髄 とら食堂 全仕事』

ハスラー

とら食堂

 先の三連休は、新しく来た軽ペネロープ号に乗ってかみさんと一緒にオヤジの実家白河へ行った。小さな軽自動車だけどピンク色なので、広いサービスエリアでも遠くから分かるので良い。前のは白いアルトバンだったので探し迷子になることしばし。
 田舎に行くのなら昼飯は、とら食堂だ。11時開店なので30分前に着いたら、駐車場も一杯ですごい行列、どうなっているんだ・・後で聞いたら、最近テレビのケンミンショーとかいうのに出たからだそうだ。
 普通なら30分前に並べば最初に入れるのだが、順番待ち表は早くも2枚目。記入していると幼なじみの店主竹井くんが出てきて「よっ、ひさしぶり」。11時に開店してみれば最初に入った後の15番目。
 10分ぐらい過ぎたところで携帯が鳴り、ばーちゃんが入っている施設からで、ばーちゃんが突然心肺停止になってしまい、AEDで自力呼吸できるようになったけど、意識があまりないので救急車で搬送中、搬送先が決りましたらお知らせします、とのこと。ニュースとかで良く聞く心肺停止をこんな身近で聞くとは思わなかった。
 心臓が動き出したし、ここまで来てしまったのでドタバタしてもしょうがないので、ラーメン喰って帰ろうと店前ブラブラしていた10分後にまた携帯がなり、病院が決ったとのこと。近所の弟が在宅だったので先に病院に行ってもらうことにした。さらに10分待った11時半でも9番目、本丸前にして撤退を決断。順番表の自分の名前を消してゆこうとしたところで、後ろから「ケンちゃん、ケンちゃん〜」。竹井くんがやってきて「本を出したんだ。後で読んでみてね」と一冊の本を手渡された。

 『白河ラーメンの神髄 とら食堂 全仕事』
 読んだけど、凄いの一言。麺の打ち方からスープの作り方まで事細かく親切丁寧に記されている完全攻略本である。途中で気付くのは頭で理解したそれらを実践の中で会得できるかどうかで、それはかなり超難度Cであるということを。写真フィルムでの「ゾーンシステム]と似ているのかもしれない。
 本へのサインをもらい先に辞さなければならない事情を竹井くんに話したところで携帯が鳴った。
 様態急変しカテーテルを入れて延命処置を行いたいのですが宜しいでしょうか、とのこと。
 「延命処置しないとどうなります?」
 「うーん・・・・そのままになると思います」
 「そのままイっちゃうのですか」
 「・・・・と思います」
 「じゃ、延命処置をお願いします」
 「その場合でも可能性は50%で、そして入院になります」
 「もうすぐ弟が行きますので宜しくお願いします」

 墓参りもやめ本家にちょっと寄って事情を話してすぐ辞して隣村の分家へ。こちらでも事情を話しできたての米をもらって帰路へ。
 ただ、近くならそれこそおっとりがたなで掛け参じるも、距離で言えば150km、時間で言えば3時間ぐらいかかる、そしておそらくは意識もない心肺停止状態なので、この先どちらにころんでも普通の急ぎでも変わりもなく、親不孝でもないと思い、かっ込みモードだけどインドカレーをランチし、途中のままドール新白河店で土産も買った。
 ママドールって知らなかったのだけど福島が郡山が発祥なようだ。甘党なら絶対に美味しいというやつで、ご当地名産の一つらしい。
 
 実家を出て1時間後、東北道で弟からのショートメールを受け取るが運転中かつ老眼なので、かみさんに代読してもらい「13:28、臨終」。

体育の日 その2

 臨終と言ってもその直前まで心臓が動いていて意識があった訳ではなく、善処尽くした延命処置の終了を余儀なくされた時間である。母の危篤時にも飯喰って土産を買っている親不孝モンかもしれないけど、幸いに到着まで2時間ぐらいあったので車中今後の段取り等を打ち合わせすることができた。

 4時前に着いて担当医から経緯を聞かされ何枚かの書類にサインをし、死亡届をもらって慰安室へ。
 想像していた慰安室とは違い普通の小さな部屋で、脱脂綿とかで体を綺麗に拭き、薄化粧をもしてくれたばーちゃんが白装束を着て横たわっていた。この処置は5万円だそうだ。生きている人間なら保険で間に合うが生きていない人間だからだろう、妙に納得。
 「どこかの葬儀屋さんとかご存知ですか?」と、言われたって、ふつーいないよ、そんなの。
 斎場で大事なのは価格もそうだけどロケーションだと思う。幾つか見せられた葬儀場パンフから一番アクセスが便利な場所の葬儀屋を頼んでもらった。
 1時間後、白衣を着たその葬儀屋さんがやってきてばーちゃんをワゴン車に乗せ、「私どもの場所は、こちらでございます」と見せられた地図には、果たしてその良く知っているメモリアルホールがあった。

 ホールに着いたら仮設風クーラーの効いた小さな部屋にばーちゃんは寝ていた。
 夜遅く8時、私の寺と焼き場に連絡をして最短スケジュールを先に取り決める。葬儀料等の取り決めをする前にだ。それは翌朝9:30から。
 ざっくらばんと先方のお勧めコースを聞いたら、思わず出されたお茶を吹く出すぐらいの140万円。寝言いってんのか?だ。こういう葬儀料の平均は110万円らしいが、全国平均なので今一つ目安にならない。
 無理やり長生きのデメリットを一つ挙げるのなら、故日野原先生のような方を省き、自分の葬儀への参列者が少ないことだと思う。当人からすればどうでも良い事なんだけど。
 80歳を超えれば、そのお友達は先にイっている人も少なくなく、イっていなくても入院中、施設入居中、または腰や足が悪いなどで来られない人も少なくない。そしてばーちゃんは主婦なので親戚以外の知り合いは近所のばーちゃん達ぐらいで、結果的に親戚合わせて10名ちょっと。
 こういうキャスティングに140万円はないだろう。
 確かに斎場と言っても車で言うとところのアルト〜デミオ〜マークII〜クラウンなどのグレードがあるので一概に価格だけで安い高いとは言えず、また同じ車種でもDX〜スポーツ〜サルーン〜ロイヤスサルーンなどのランクもあり、この140万円は、マークIIのスポーツのようだ。
 良く言うとねばり、悪く言うとぐずりまくり、最後90万円代で折り合いをつけた。嫌な客だと思われただろうな・・。

iPhone再び?

 用があってソフトバンクに行ったらガラケーからスマートフォンへと勧められた。
 高いから今は要らないと言ったら、安いのがあります、3,300円/月、しかしWindowsスマートフォンなので、ゲイツじゃなくてジョブスのはないの?すると再び、iPhoneでの最低料金だと3,900円になりますがお取り寄せになります、と言う。
 ガラケーのたったの2倍じゃないか、買う気マンマンなるも一度家に戻ってから電話すると名刺をもらって店を辞す。

 帰り道の数分間、iPhone4ws以来だなぁ、ひさしぶり、と思いながら帰宅し、少し経ってからソフトバンクに電話をした。
 開口一番、その16GBのは在庫が切れていまして現在32GBのしかありません、とのご返答。じゃ、入荷したら電話ください、と言うと、入荷予定はもうなく32GBのしかありません、との再返答。
 じゃ、それで良いです、と言うと、それですと200~300円/月アップになります~、とのご返答。じゃ、要らない~。

 最初に見せられたのは、iPadからの表示なのでリアルタイムな料金表示だったので、16GB/3,900円は単なるひっかけかさくらのSoftbank商法のようだ。しかし、ま、iPhoneへの夢を見ながらの数分間の帰宅散歩もなかなかよしと。