スペインは日本と同じくらいの長寿国であるにもかかわらず喫煙国である。
もちろん官公庁や公共施設などは、日本同様至るところに禁煙マークが貼ってあり警察署も勿論なのだが、何故かそこに並ぶ人達の為にちゃんと灰皿があるし、中の警察職員達も煙草プカプカしながら仕事してるのが理解に苦しむ。
病院でも看護婦さんがナースステーションなどで吸っていたり、ちゃんと廊下に灰皿が置いてあるのが超越している。いつも半分で消してしまう私にもったいない、と言う彼らは必ずフィルターの根元まで吸っている。
ところでスペインのイベリア航空の飛行機に乗った時、喫煙席に座れなかった私がじっと我慢して座っていると、隣座席のスペイン人のオッさんがいきなり窓の上の禁煙マークシールをはがした。何をするのかと見ていると、なんと前の席の禁煙マークの上にペタっと重ねて貼り、自分はあたかも喫煙席に座っているかのようにして煙草を吸いだしたのには、驚きを確実に越えていた。
突然禁煙席エリアに現われた喫煙席に事態は如何に、と心配していると、今度は貼られた席の人がそれをはがし、また前の席にペタッ、そして煙草プカプカ。スチュワーデスもそれを見て何も言わず、とうとう禁煙席エイアが半分以上になってしまった。すごいぞ、イベリア航空。
淋しいかな、周りが吸っているのならと、私はスペイン人のつもりになってプカプカ吸ってしまった。節操がないとはこの事だ。
日本に於ては、喫煙に関し少し神経質的になりすぎている感もあると思う。まぁ煙草でいきなり病気になったなんて聞かないし、むしろ肥満から来る弊害のほうが顕著であるような気がすると言い切るのは喫煙者の言い訳か。
しかし、あれっ、スペイン人はどちらかといえば肥満体だ。喫煙をし、肥満おかまいなしのスペインが何故、ストイック風に禁煙を励行しつつ肥満に気を付ける日本同様、長寿国なのだろうか。喫煙を嫌う非喫煙者も、煙が嫌いというより、そう思う事によって自分が健康であるという安心感を多く得られだけであり、長寿においては喫煙や肥満よりもその精神に起因するのじゃないかと、現在禁煙中の私は、声を大にして言いたい。
尚、この禁煙」は、当時数時間しか保たなかった事を付け加えたい。また、以後、何回か禁煙を試みた結果分かったのは、禁煙は実に簡単で何回もできるだということだ。