別離

運転手がブラインドを上げた
霧の中から飛び出す二本の線路が
胸を突き刺して過ぎていく
もう二度と乗らない駅から
いつもの顔して乗り込んだ(わたしらしく)
二つ目の駅で乗り換えるつもり(いつもどおりに)
霧さえ出ていなかったら
あるいは
ブラインドさえ上がらなかったら
わたしのニヒルなシーン作りも
100%完成していたのに
いまいましい霧の中で
ふいに線路に胸を刺されて
わたしはめまいを覚え
床に膝をついてうずくまってしまった


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