冬の函館 2004.12.26-28

冬の北海道と言えば、流氷や鶴来村もあるが、一般的にはスキーと雪祭りぐらいだろう。年越しは別にして、クリスマスから大晦日までの北海道への旅行パックは意外と格安穴場である。ただし、曜日と日付の関係で1日違っただけでも料金が万単位で変ってしまうのは株相場さながらである。

親子3人、一番格安な12月26日(日)〜28日(火)を選び、往路をカシオペアまたは北斗星の個室を狙ったが、鉄道に詳しい友人から「寝言、言ってんのか?」
個室の数が少なく、他人とベッドを同じくせず密室で一晩となれば、当然アベック(若い女性から死語と言われた)の決死の予約猛攻があるのだ。中には、カシオペアで勝負パンツだってあるかもしれない。
絶対にヤラない子連れ夫婦の予約根性の入れ方を絶対ヤルぞモードのアベックのと比較すれば、B29に立ち向かう竹ヤリ部隊だ。果たして取れたのは、B寝台。いわずもがなキャンセルだ。
往路カシオペア、復路飛行機の2泊3日は、26日(日)出発で60000円強。散財しなくて良かった。

帰りは短時間が良いのだろう、復路に飛行機を選ぶと同じコースでも数千円〜1万円割高だ。
「ま、とにもかくも函館に行こうよ」ということで、帰りが羽田〜さいたま市というのも面倒なので、割安の往路を飛行機、復路を新幹線のにしたら、1人たったの30000円。当然、2食付の温泉ホテル宿泊が付いている。この内訳がどうなっているのか詳細を是非知りたい。部屋はボイラー室かリネン室か?
おまけに、これに1人3000円をプラスすると、なんと函館からの特急&新幹線の全線グリーン車に乗れるという。
「セレブなグリーン車だよ!」
私なんぞは生涯2度しか乗ったことがなく、いずれも仕事で、尚且つ30代後半になってからだ。それなのに、娘、齢7才にして飛行機には3回も乗り、海外は2回、そして、今度はグリーン車ですかっ。
行き先の函館よりも移動手段の方が気になってしょうがない、お父さんであった。

雪の降らない函館も着いた数日前に大雪が降って、訪れる人を「おお、北海道に来たぞ!」という気分にさせてくれた。
冷たい津軽海峡の上をなぞって吹く風がその雪を伴って、余計力強く体にぶつかってきた。まるで、スペインのブルゴスのようだ。北海道と言っても青森近くの最南だからなと、ラクダのももしきをはかなかったのが敗因で、冬の北海道をなめてかかってはいかんですたい。

いくらデフレのこの世の中と言っても、北海道に2泊して、飛行機と新幹線が含まれて30000円だったら、その夕食が「シャケ弁」だったとしても誰が文句を言うだろうか。
ご紹介の旅行パックのチラシ及び宿泊ホテルのカウンターに掲げてあるポスターには、エビが跳ね、無数のタラバガニやホタテがひしめき合い、大皿にはチョモランマに匹敵するぐらいのイクラがてんこ盛りになっている写真があった。最下部に6ポイントサイズの大きさで「写真はイメージです」と、おそれおおくも記してあった。
子供は字が読めないし、その両親も老眼で読めない。となれば、夕食には少なくとも娘の好物である「イクラのてんこ盛り」がバイキングで登場すると信じていたって罪はないだろう。
実際は、登山パーティの人数分ぐらいの数個のイクラがチョモランマのようなダイコンおろしの上に乗っかっていた。納得のゆかない娘は、近くにいたフロアーマネージャーに「あのぉ、写真のような、沢山のイクラって何処にあるのですか?」

この値段で文句を言っては無粋だ。
そこそこに切り上げて、ホテル近くの寿司屋に行った。おそらく「北海道、グルメブック」とか「道産子ツアー、お勧めグルメ三昧」とかいうムックには絶対載らないだろうお店だ。
載らない方が良いし、他者が絶賛するような店に無理をしてでも行くことはしない。求める指向が違うからだ。
そこは地元の人が通う普通のお寿司屋さんで、お邪魔した異星人家族は2日間楽しい函館の夜を過ごさせてもらった。ご飯もネタも小さくて一口で食べられる大きさが粋の江戸前スタイル。イカの刺し身も子持ちだったりとやっとこさ北海道三昧で、チョモランマ風のイクラ盛りに娘も大満足。地元では当たり前の料理も私たちから見れば、珍味美味のご馳走である。

観光シーズンじゃないので、観光バスで乗りつけるしかるべき場所以外は、観光客は殆どいない。地元の人たちとともに、函館の街に溶け込んでしまったような落ち着き感があった。
札幌ほど大都会ではないが、大きな街である。教会や史跡が多くみられ地方色もある。そして北海道の玄関として津軽海峡に面した港が旅情感を盛り上げている。ここでなら「津軽海峡冬景色」をカラオケで唄っても良いな。

東北新幹線が八戸まで延び、八戸と函館を結ぶ新特急「白鳥」が新型車両風で、鉄ちゃんなら大喜びだと思った。
全車両禁煙だが、通路にちゃんと喫煙コーナーがあるのが嬉しい。このスタイルは是非新幹線にも採用して欲しいものだ。おまけにグリーン車は各座席にパソコン用のAC電源も付いているし、なんとシートは革張り。おおお、豪華だ。
そんな貴重な体験ながらも、函館駅で買った「かいけつゾロリ」の本を読むのに余念のない娘、なんともったいないことだ(小市民感覚)。
函館で買った1000円の駅弁「北海弁当」は、考えられる北海道海産物が全部入っているのではと思わせるぐらい海の幸が箱の中を埋め尽くしていた。これは美味い!全般的に北海道は物価が安くボリュームもある。「食い倒れ」とは北海道じゃないかい?

久しぶりの大きな旅行なのに、カミさんは毎度ながらカメラを忘れた。んでもってこれまた毎度ながらレンズ付きフィルムの夜景モード付きを現地で買った。よって、撮影距離は固定焦点の3m付近ばかりと相成った。


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