似顔絵 2003.11

聞くけば、そのままの通りに描いてしまうと母親からクレームがつくのが子供の似顔絵とのことだけど、その母親は「見比べる」と「ギャップの差」という概念を置き忘れていると思う。

近所のフェアーで似顔絵コーナーがあったのでチャレンジした。とにもかくも「リアリズムで!」のスローガンを掲げ目指すコーナーへ。
絵というのは輪郭から描いて最後に目をと思っていたら、いきなり目から描き始めた。最後に目を入れると竜になって飛んでいってしまうからか。数人の画家がいたけど、見ているとみんな目から描き始めていて、その方が描きやすいのかな。でも、どれも見ても「その目は誰のだ?」だった。表現というよりも仕事だし、私も自由業、とやかくは言えなかったのだが。

実物をそれを見比べてみても、これは誰を描いたのか?娘の後ろに立っていた別の子供じゃないか?という印象はぬぐいきれない。目を隠した方がより似ている。「うちの娘の似顔絵だけど、綺麗でしょ」なんて口が裂けても言えない。現実をマイナス評価しているようなモノだからだ。
確かに眼を際立たせて描けば美人に見えるけど、モンタージュじゃないんだから、目だけ入れ替えてもなぁ。
描いた画家は、昭和一桁生まれ風の老人。写真が珍しくそして貴重だった時代では、より綺麗に描いて表現する、というのが主流だったのかもしれない。

会話好きのその画家はお世辞に「お嬢ちゃん、綺麗だね、将来はモデルかな?」
娘曰く「ううん、将来は画家になるの」
お絵書きは好きだけど、どっから画家なんて単語が出てくるんだ。ま、絵描きと言わなかっただけでも良かったが。
でもやっぱ似てねぇー。


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